イントロダクション
Uismの創設メンバーであり、現在は宮城大学事業構想学群准教授である一方、アカデミックパートナーとしてUismと共に歩み続ける安藤裕さんにインタビューを行いました。安藤さんが持つアカデミアで磨かれた専門性と、リサーチへの情熱、そしてUismと共に働くことの魅力について語っていただきました。安藤さんの視点から見たUismの魅力と、プロフェッショナルたちがUismという場を選び続ける理由についてご紹介します。
燃える分析と人間の心理─ 安藤さんの情熱と専門性
では初めに、安藤さんってどんな人ですか?
安藤:どんな人…私は分析が大好きな人です。ただ、どんな分析でも好きというわけではありません。過去の経験から、自分の中で「燃える分析」と「燃えない分析」という違いがあることに気づいたんです。ある時に人の気持ちや行動を分析したら、それは非常に面白かったんです。人の心理や行動は理解しづらいものですからね。私はそういった分析に情熱を持って取り組むタイプだということを、これまでの経験を通じて気づきました。
過去の職場では心理学の分析をしていて、色の好みと性格の関係やドキュメントデザインと性格の関係といった分析をしていたので、分析とはそういうものだと思っていました。しかし、職種が変わって人間の心理とは関係のない分析をするようになって「あれ?面白くない?!」と感じて、それで改めて気づきました。私の人生を振り返ると、基本的に好きな分析に関してはぶれていなくて、人の行動や心理というテーマが仕事の基盤になってると思います。やっぱり分析が好きなんだ、しかも人間の分析が好きなんだって。
Uismに入る前の職場では、人間行動の分析をしていたんですか?
安藤:そうですね。前職では最初、研究所で人間の行動分析を思う存分やってたんですよ。その後、職種が変わったりして、分析以外の仕事に携わることも多くなりました。インタビューをひたすらやったり、データを分析して人の行動傾向を予測するみたいな仕事ではないことが多かったので、すごく憧れがありました。「人間を理解すること」というのは楽しくて、なんて贅沢なんだろうと。これを天職にしようと思ってUismに入社することになった背景もあり、Uismでは日々楽しみながら仕事していましたね。
キャリアの背景について教えていただけますか?
安藤:大学院の修士まで進み、心理学や認知科学の研究をしていました。本当はアカデミックの道に進みたかったのですが、まずは、企業で働いてみようと。入社したのは企業の研究所が面白そうだったからです。
企業に入って、研究所にいて、研究が楽しいなと感じながら、やっぱり大学のアカデミックな環境に戻りたいとも思っていました。また、博士号を得るために社会人をしながら大学院に通い、研究者としての経験もちゃんと積まなければいけないなと思っていました。
そこからUismに入社されたんですか?入社のきっかけについてお聞かせください。
安藤:Uismに入るきっかけは、浅川さん(代表取締役)に誘われたことが一番の理由ですね。ただ、私は大学教員になる夢を持っていたので、そういうことも入社前から浅川さんに話をしていたんです。
その当時は、大学の教員採用を受けたりしている時期だったのですが、浅川さんは非常に応援してくれていました。その時に「学者になりたいなら、その夢を持ちながらUismで働こうよ」って言っていただいたんです。夢を持ちながら遺憾なく能力を発揮できる環境は、非常にありがたいですし居心地もすごく良かったですね。
Uismでの経験と現在の関わり
Uismでの経験が次にどう繋がっているか教えていただけますか?
安藤:Uismの魅力は、会社の規模や新しさにも関わらず、いわゆる大企業に対して知識や技術を提供できる点があると思います。これは実にスリリングで、私の知識やスキルが直接相手に価値を提供し、そのことが世の中に還元できていることを実感できる。それがやりがいに繋がっていました。
現在は大学で教員として学生に教える一方で、アカデミックパートナーとしてUismとビジネスに役立つリサーチ手法について共同研究をさせてもらっています。Uismのメンバーと一緒に分析手法を考え、実践することでリサーチ力の強化に取り組んでいます。試行錯誤しながら共に考え、成長できる環境を提供するUismは、私にとって非常に魅力的な会社です。
今後は、もっと面白いことを一緒に実現できたらいいなと思っています。私自身も、分析手法はどういうものがいいかを手探りで考えているところなので。今はどちらかというと、実用性が高い手法を開発していきたいので一緒にやらせてもらえたら嬉しいです。
アカデミックなアプローチとユーザーリサーチの融合
アカデミックという言葉が出ましたが、「研究」と「リサーチ」の違いってなんですか?
安藤:「研究」と「リサーチ」には、次のような違いがあります。まず、「研究」は学術的な活動を指し、未解明の仮説や問題を明らかにすることを目指します。一方、「リサーチ」は一般的に調査を意味します。これは、具体的な問題解決のためにデータを収集し分析する活動を指します。
「研究」は未解決の問題を解明するのに対して、「リサーチ」はどんな位置付けは何でしょうか。
安藤:学術的な視点から新たな知見を発見したり、未解明の問題を明らかにするのが「研究」の領域ですが、企業の場合、主に製品やサービスのユーザー体験を改善することを目的としてリサーチが行われます。これがUXリサーチの重要な役割で、ユーザーのニーズや動向を把握して、それらを製品やサービスの設計、開発、改良に活かすためのリサーチ活動が求められます。私は、リサーチにおいては学術的な厳密さは必ずしも必要ないと思っています。リサーチをすることで意思決定が可能になれば、学術的な厳密さはマストでは無い。ただし、学術、特にサイエンスという手法を取り入れることで、UXリサーチの結果に信頼性を与えることができます。より信用に足りる。Uismでは、この二つの側面を組み合わせて、深くて広範な洞察を得ることを目指していて、私もその考えに共感をして会社立ち上げに関わったという経緯があります。
リサーチにアカデミックな手法を取り入れる際に気をつけるべきポイントはありますか?
安藤:アカデミックなやり方は、厳密さと論理性に基づいたアプローチです。科学的なアプローチでは真と偽の論理的な考え方があって、真の上に真を乗せることで真を導くことができますが、偽を乗せてしまうと結果は偽になってしまいます。また、適当な推測や不正確な情報を真の上に乗せてしまうと、それ以降の論理の妥当性が損なわれますので、学問的には偽の要素の一切を避けなければなりません。
ですが、ビジネスの場合は、厳密さが必ずしも求められるわけではありません。先程も言いましたが、意思決定をするための情報であることが重要であると思っています。クライアントが適切なタイミングで、情報を入手し、理解し、事業判断を行えることが最も重要です。情報の厳密さや真実性はクライアントによって適切なタイミングを失わせてしまったり、使い道のない情報に労力を割くことになる場合があります。
ビジネスにおいては、アカデミックな要素と実用性のバランスが重要だということですね。
安藤:はい、正にその通りですね。ビジネスにおいては、アカデミックな要素と実用性のバランスが重要です。アカデミックな厳密さだけではなく、クライアントのニーズや意思決定の要件を満たすために、柔軟なアプローチが必要となります。ビジネスは常に変化している環境で行われるため、柔軟性を持ちながらリサーチを行い、クライアントの要求に応えることが求められると思います。
今後の展望
最後に、これまでのキャリアを通して、ご自身の今後についてどのように考えているか聞かせてください。
安藤:ずっとやりたかったことは、研究しながらビジネスにも貢献する。研究&実践&教育みたいなこと。これはずっとやってきたことなので、これからも一生やり続けたいと思っています。
私は大学生の頃から、「知るということで飯食っていけたらいいな」と思っていました。特に人間の心理に関われたらもっと最高だなと。その頃は、知的好奇心を満たす仕事に就けたらいいなと考えていました。「大学の先生」というのがその選択肢の一つでしたが、実際にやってみて本当に楽しかったです。Uismでのユーザーリサーチは、大学の先生と同じくらい楽しかった。自分にとって知的好奇心を満たしながらお金を稼ぐということは、最高でした。今は大学の教員として学生とともに学ぶ。一方で、Uismとの関わりも持ち続けながら、Uismのメンバーと共にユーザーリサーチの方法について探求し、新たな価値を創造できればと思っています。
素晴らしいお考えですね。Uismの将来にとって、安藤さんのような専門性と経験を持つ人材が重要な役割を果たすことは間違いありません。今後もますますのご活躍を期待しています。
安藤:ありがとうございます。私もUismの成長と発展に貢献できるように尽力していきます。
イントロダクション
Uismの創設メンバーであり、現在は宮城大学事業構想学群准教授である一方、アカデミックパートナーとしてUismと共に歩み続ける安藤裕さんにインタビューを行いました。安藤さんが持つアカデミアで磨かれた専門性と、リサーチへの情熱、そしてUismと共に働くことの魅力について語っていただきました。安藤さんの視点から見たUismの魅力と、プロフェッショナルたちがUismという場を選び続ける理由についてご紹介します。
燃える分析と人間の心理─ 安藤さんの情熱と専門性
では初めに、安藤さんってどんな人ですか?
安藤:どんな人…私は分析が大好きな人です。ただ、どんな分析でも好きというわけではありません。過去の経験から、自分の中で「燃える分析」と「燃えない分析」という違いがあることに気づいたんです。ある時に人の気持ちや行動を分析したら、それは非常に面白かったんです。人の心理や行動は理解しづらいものですからね。私はそういった分析に情熱を持って取り組むタイプだということを、これまでの経験を通じて気づきました。
過去の職場では心理学の分析をしていて、色の好みと性格の関係やドキュメントデザインと性格の関係といった分析をしていたので、分析とはそういうものだと思っていました。しかし、職種が変わって人間の心理とは関係のない分析をするようになって「あれ?面白くない?!」と感じて、それで改めて気づきました。私の人生を振り返ると、基本的に好きな分析に関してはぶれていなくて、人の行動や心理というテーマが仕事の基盤になってると思います。やっぱり分析が好きなんだ、しかも人間の分析が好きなんだって。
Uismに入る前の職場では、人間行動の分析をしていたんですか?
安藤:そうですね。前職では最初、研究所で人間の行動分析を思う存分やってたんですよ。その後、職種が変わったりして、分析以外の仕事に携わることも多くなりました。インタビューをひたすらやったり、データを分析して人の行動傾向を予測するみたいな仕事ではないことが多かったので、すごく憧れがありました。「人間を理解すること」というのは楽しくて、なんて贅沢なんだろうと。これを天職にしようと思ってUismに入社することになった背景もあり、Uismでは日々楽しみながら仕事していましたね。
キャリアの背景について教えていただけますか?
安藤:大学院の修士まで進み、心理学や認知科学の研究をしていました。本当はアカデミックの道に進みたかったのですが、まずは、企業で働いてみようと。入社したのは企業の研究所が面白そうだったからです。
企業に入って、研究所にいて、研究が楽しいなと感じながら、やっぱり大学のアカデミックな環境に戻りたいとも思っていました。また、博士号を得るために社会人をしながら大学院に通い、研究者としての経験もちゃんと積まなければいけないなと思っていました。
そこからUismに入社されたんですか?入社のきっかけについてお聞かせください。
安藤:Uismに入るきっかけは、浅川さん(代表取締役)に誘われたことが一番の理由ですね。ただ、私は大学教員になる夢を持っていたので、そういうことも入社前から浅川さんに話をしていたんです。
その当時は、大学の教員採用を受けたりしている時期だったのですが、浅川さんは非常に応援してくれていました。その時に「学者になりたいなら、その夢を持ちながらUismで働こうよ」って言っていただいたんです。夢を持ちながら遺憾なく能力を発揮できる環境は、非常にありがたいですし居心地もすごく良かったですね。
Uismでの経験と現在の関わり
Uismでの経験が次にどう繋がっているか教えていただけますか?
安藤:Uismの魅力は、会社の規模や新しさにも関わらず、いわゆる大企業に対して知識や技術を提供できる点があると思います。これは実にスリリングで、私の知識やスキルが直接相手に価値を提供し、そのことが世の中に還元できていることを実感できる。それがやりがいに繋がっていました。
現在は大学で教員として学生に教える一方で、アカデミックパートナーとしてUismとビジネスに役立つリサーチ手法について共同研究をさせてもらっています。Uismのメンバーと一緒に分析手法を考え、実践することでリサーチ力の強化に取り組んでいます。試行錯誤しながら共に考え、成長できる環境を提供するUismは、私にとって非常に魅力的な会社です。
今後は、もっと面白いことを一緒に実現できたらいいなと思っています。私自身も、分析手法はどういうものがいいかを手探りで考えているところなので。今はどちらかというと、実用性が高い手法を開発していきたいので一緒にやらせてもらえたら嬉しいです。
アカデミックなアプローチとユーザーリサーチの融合
アカデミックという言葉が出ましたが、「研究」と「リサーチ」の違いってなんですか?
安藤:「研究」と「リサーチ」には、次のような違いがあります。まず、「研究」は学術的な活動を指し、未解明の仮説や問題を明らかにすることを目指します。一方、「リサーチ」は一般的に調査を意味します。これは、具体的な問題解決のためにデータを収集し分析する活動を指します。
「研究」は未解決の問題を解明するのに対して、「リサーチ」はどんな位置付けは何でしょうか。
安藤:学術的な視点から新たな知見を発見したり、未解明の問題を明らかにするのが「研究」の領域ですが、企業の場合、主に製品やサービスのユーザー体験を改善することを目的としてリサーチが行われます。これがUXリサーチの重要な役割で、ユーザーのニーズや動向を把握して、それらを製品やサービスの設計、開発、改良に活かすためのリサーチ活動が求められます。私は、リサーチにおいては学術的な厳密さは必ずしも必要ないと思っています。リサーチをすることで意思決定が可能になれば、学術的な厳密さはマストでは無い。ただし、学術、特にサイエンスという手法を取り入れることで、UXリサーチの結果に信頼性を与えることができます。より信用に足りる。Uismでは、この二つの側面を組み合わせて、深くて広範な洞察を得ることを目指していて、私もその考えに共感をして会社立ち上げに関わったという経緯があります。
リサーチにアカデミックな手法を取り入れる際に気をつけるべきポイントはありますか?
安藤:アカデミックなやり方は、厳密さと論理性に基づいたアプローチです。科学的なアプローチでは真と偽の論理的な考え方があって、真の上に真を乗せることで真を導くことができますが、偽を乗せてしまうと結果は偽になってしまいます。また、適当な推測や不正確な情報を真の上に乗せてしまうと、それ以降の論理の妥当性が損なわれますので、学問的には偽の要素の一切を避けなければなりません。
ですが、ビジネスの場合は、厳密さが必ずしも求められるわけではありません。先程も言いましたが、意思決定をするための情報であることが重要であると思っています。クライアントが適切なタイミングで、情報を入手し、理解し、事業判断を行えることが最も重要です。情報の厳密さや真実性はクライアントによって適切なタイミングを失わせてしまったり、使い道のない情報に労力を割くことになる場合があります。
ビジネスにおいては、アカデミックな要素と実用性のバランスが重要だということですね。
安藤:はい、正にその通りですね。ビジネスにおいては、アカデミックな要素と実用性のバランスが重要です。アカデミックな厳密さだけではなく、クライアントのニーズや意思決定の要件を満たすために、柔軟なアプローチが必要となります。ビジネスは常に変化している環境で行われるため、柔軟性を持ちながらリサーチを行い、クライアントの要求に応えることが求められると思います。
今後の展望
最後に、これまでのキャリアを通して、ご自身の今後についてどのように考えているか聞かせてください。
安藤:ずっとやりたかったことは、研究しながらビジネスにも貢献する。研究&実践&教育みたいなこと。これはずっとやってきたことなので、これからも一生やり続けたいと思っています。
私は大学生の頃から、「知るということで飯食っていけたらいいな」と思っていました。特に人間の心理に関われたらもっと最高だなと。その頃は、知的好奇心を満たす仕事に就けたらいいなと考えていました。「大学の先生」というのがその選択肢の一つでしたが、実際にやってみて本当に楽しかったです。Uismでのユーザーリサーチは、大学の先生と同じくらい楽しかった。自分にとって知的好奇心を満たしながらお金を稼ぐということは、最高でした。今は大学の教員として学生とともに学ぶ。一方で、Uismとの関わりも持ち続けながら、Uismのメンバーと共にユーザーリサーチの方法について探求し、新たな価値を創造できればと思っています。
素晴らしいお考えですね。Uismの将来にとって、安藤さんのような専門性と経験を持つ人材が重要な役割を果たすことは間違いありません。今後もますますのご活躍を期待しています。
安藤:ありがとうございます。私もUismの成長と発展に貢献できるように尽力していきます。