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インタビュー調査(FGI/IDI)
インタビュー調査では、モデレーターと対象者の1:1のデプスインタビュー(IDI)や、複数名が参加するグループインタビュー(FGI)を、オンラインまたは対面で実施し、ユーザーの主観や意見を聴取します。これにより、ユーザーの感情やニーズ、行動スタイルを把握し、課題の背景を明らかにし深い理解を得ることで、製品やサービスの改善に役立てることができます。
日記調査
調査対象の製品やサービスの利用体験を、ユーザーに日記形式で記録してもらう手法です。一定期間のユーザーの体験情報を収集するこの手法は、リアルタイムで利用履歴を追跡するため、製品パッケージの開封から習熟過程や、日常生活でのサービス利用実態などの詳細を明らかにすることが可能です。また、ユーザーの行動や感情の記憶が新しいうちに記録することは、より精度の高い行動プロセスの把握が実現できます。
エスノグラフィ
リサーチャーがユーザーの日常に入り込んで行動を観察し、製品やサービスの利用実態やニーズを明らかにする手法です。インタビュー調査や会場調査とは異なりリサーチャーがユーザーの環境に身を置くこの手法では、ユーザーの能動的な行動を観察できることが特徴であり、行動の背景にある意識や意図を知ることができます。
会場調査(CLT)
ユーザーに調査会場に足を運んでもらい、全員に同じ状況下で実際の製品やサービスを試してもらう調査です。医療機器や商品棚、自動車などの調査では、それらを利用する環境をリアルに会場に再現し、ユーザーに体験してもらい、評価や感想などの情報を収集します。この手法では、定性・定量の両方のデータを収集することが可能です。
競合ベンチマーク
競合他社の製品のデザイン、機能性、利便性などを評価するために、ユーザーがどのような体験をしているかを調査・分析します。これを通じて、自社の製品やサービスの位置付けや競争力を明確にし、強みや差別化ポイントを見つけることができます。さらに、市場での優位性を確保するための戦略立案にも役立ちます。
エキスパートレビュー
専門家によるユーザビリティに関するアドバイスや評価を行う調査です。設計段階の製品や既存製品のプロトタイプに対して、深い知識や豊富な経験に基づいて問題点や改善点をより詳細に特定するために行われます。専門家の視点からデザインの品質向上についての見解を得ることができます。
ワークショップ
参加者とともに特定の課題についての議論が行われます。リサーチャーや専門家、あるいは実際のユーザーが参加することで、多様な視点からの意見交換やアイデア出しを促進します。ファシリテーターの役割は、参加者が積極的に議論を進め、課題の抽出や解決策の生成をサポートすることです。
アクセシビリティ評価
身体的な制約や障害を抱える人々が、スムーズにアクセスできるかどうかを評価します。製品やサービスの使いやすさなどを検証することで、多様な利用者に隔たりなく受け入れられる製品かどうか、また改善点は何かを明らかにします。
ユーザビリティ評価
ユーザビリティ評価は、製品やサービスがターゲットユーザーにとってどれほど使いやすいかを明らかにする手法です。この評価では、ユーザーに製品やサービスを実際に操作してもらい、その操作中の挙動や反応、感想などを観察し、記録します。これにより、直感性、操作性、学習性、エラー発生率、満足度などのユーザビリティの指標を詳細に把握し、改善策を提案します。
バリデーションテスト
医療従事者が医療機器やシステムを使用する際の操作性をテストする手法です。直感的な操作が可能か、操作ミスを防ぐための設計がされているかなどを評価し、問題がある場合は対象者のフィードバックをもとにその原因を明らかにします。その結果、実際の使用場面でも安全で効率的な操作が可能な医療機器やシステムを確保します。
Webアンケート
Webアンケートは、オンラインツールを活用して短期間で大量のユーザーデータを収集する手法です。ユーザーにアンケート形式の質問に回答してもらい、その意見、態度、行動、嗜好などを明確に把握します。インタビューとは異なり、大規模なデータ収集と迅速な集計・分析が可能です。これにより、ユーザー全体の傾向の把握や特定のターゲット層の特定が容易になります。さらに、統計解析を利用することで、ユーザーの心理構造や行動パターンを深く理解することができます。
学術論文調査
学術的な研究論文や専門書を調査し、信頼性の高い情報源から得られる学術知見を網羅的に探索・分析します。その分野における主要なトピック(発見、課題、今後の展望)を分かり易く要約していくことで、その分野の動向を把握することが可能です。